サントリーは、飲料業界を代表するブランドとして、多様な製品ラインナップと革新的なマーケティング戦略を展開しています。
実際に、TVCMを含む広告宣伝費はコロナ渦においても1,000億円を超え、売り上げに対して11%もの比率を占めています。(こちらからサントリーのCMなどを確認できます。)
2020年9月期~2021年8月期の有価証券報告書の損益計算書および損益計算書関係の注記(東洋経済ONLINE)より
その中心には、魅力的なタレントを起用し、商品ごとに異なる物語やメッセージを伝えるCM戦略があります。本記事では、サントリーCMに起用された代表的なタレントと、それぞれのCM戦略について詳しく解説します。
サントリーCMのキャスティング戦略とは?
サントリーのCMキャスティング戦略は、商品の特性とターゲット層に最適化されたタレント起用を行う点で、他企業と一線を画しています。
その根幹には「ブランドイメージの強化」と「視聴者との共感の構築」があります。
具体的には、以下の3つの柱を軸にキャスティングが決まります。
→ モデルを活用してブランドイメージを高める方法とは?
商品特性やメッセージに合わせたキャスティング
もっとも大切なポイントは、商品の特性やメッセージに合ったタレントの選定です。
例えば、自然の清らかさを訴求する「天然水」シリーズには透明感と清純さが魅力の新垣結衣さんを起用。一方、「金麦」では、家庭的で温かいイメージを持つ檀れいを採用し、リラックス感を強調しています。
ターゲット層に応じた多様なキャスティング
若年層からシニア層まで幅広い視聴者層を意識したキャスティングを実施しています。
若年層向け商品では平野紫耀さんなどの人気俳優を起用し、成熟した世代向けには松嶋菜々子さんや吉田鋼太郎さんなどの落ち着いた印象の俳優を選ぶことで、幅広い消費者層にアプローチしています。
長寿シリーズによるブランド維持に寄与するキャスティング
CMシリーズの継続性も重要な要素です。「BOSS」のトミー・リー・ジョーンズさんや「伊右衛門」の宮沢りえさんは、長期的な出演を通じてブランドの記憶定着と信頼性向上に影響を与えています。
このように、タレントと商品の一貫した結びつきを築くことで、視聴者に強い印象を残しています。
サントリーのキャスティング戦略は、単なる広告塔以上の存在としてタレントを活用し、商品とブランドの魅力を効果的に伝える独自の方法を確立しています。
サントリーの長寿シリーズCMと起用されたタレント
サントリーの魅力ある商品のブランドイメージを支えるのは、何といってもシリーズものとして定着している長寿CMです。
10年から20年を超えるCMまで、長期間同じタレントをキャスティングしながらも、社会のトレンドや消費者ニーズを反映し、飽きさせないストーリーを展開しています。ここでは、サントリーの長寿シリーズCMとして、視聴者からの注目度が高いCMを見ていきます。
→ 広告・宣伝撮影でモデルを採用する際の選び方と注意点とは?
宮沢りえさん・本木雅弘さん「伊右衛門」シリーズ
2004年発売当初から緑茶市場の拡大に貢献したのが「伊右衛門」です。それまで「おーいお茶」や「生茶」の寡占状態だった市場を、日本茶の老舗「福寿園」と手を組むことで一石を投じました。
ブランド誕生以来、宮沢りえさんは俳優の本木雅弘さんと共に、シリーズの顔として20年間ずっと出演しています。和の美しさを象徴する存在として起用され、その品格と柔らかさでブランドイメージの向上に寄与しています。
宮沢りえさんのプロフィール
1968年4月6日生まれ、東京都出身の女優・モデル。1980年代にファッションモデルとしてデビューし、その独特な美貌と存在感で注目を浴びました。
特に、1987年の「三井のリハウス」CMでリハウスガールとして人気を博し、一躍時代のアイコンに。その後、映画『たそがれ清兵衛』(2002年)や『紙の月』(2014年)などでの演技が高く評価され、数々の映画賞を受賞。現在もドラマや舞台で活躍を続けています。
本木雅弘さんのプロフィール
1965年12月21日生まれ、埼玉県出身の俳優・タレント。1980年代にジャニーズ事務所所属のアイドルグループ「シブがき隊」としてデビューし、音楽やバラエティで活躍。その後、俳優に転身し、映画『シコふんじゃった。』(1992年)や『おくりびと』(2008年)で高い評価を受け、数々の映画賞を受賞。特に『おくりびと』はアカデミー賞外国語映画賞を受賞し、国際的にも注目されました。
トミー・リー・ジョーンズさん「BOSS」缶コーヒーシリーズ
2006年にスタートした「登場編」から放送されている長寿シリーズの1つです。トミー・リー・ジョーンズさんが、どこかの惑星からやってきた地球調査員役として登場し、働く世代に寄り添いながらもコミカルな内容が人気を集め、シリーズ化されています。
ユーモアと深みのある印象のジョーンズさんが演じる、異文化視点のキャラクターが視聴者に愛され、缶コーヒー市場のヘビーユーザーを獲得しています。
トミー・リー・ジョーンズさんのプロフィール
1946年9月15日生まれ、アメリカ・テキサス州出身の俳優。ハーバード大学卒業後、1970年に映画『ある愛の詩』でデビュー。その後、数々の作品で硬派で魅力的なキャラクターを演じ、『逃亡者』(1993年)でアカデミー助演男優賞を受賞。代表作には『メン・イン・ブラック』シリーズや『ノーカントリー』(2007年)、『リンカーン』(2012年)などがあります。
新垣結衣さん「天然水」シリーズ
2015年から、清らかな自然をテーマに展開する「天然水」シリーズです。
自然と調和する清純派のイメージがある、新垣結衣さんを起用し、自然の清らかさを全面に押し出したCMです。環境保護や持続可能性のメッセージも内包し、若年層からの支持を獲得。
健康志向の流れをけん引しています。
新垣結衣さんのプロフィール
1988年6月11日生まれ、沖縄県出身の女優・モデル・歌手。2001年にファッション誌「ニコラ」のモデルオーディションでグランプリを獲得し、芸能界入り。その後、ドラマ『ドラゴン桜』(2005年)や映画『恋空』(2007年)で一躍注目を浴び、清純派女優としての地位を確立しました。
また、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年)ではコミカルで親しみやすい演技が評価され、幅広い世代から支持を集めました。
井川遥さん「角ハイボール」シリーズ
ウイスキーは年配の男性がたしなむお酒というイメージを脱却し、ハイボールの庶民的で親しみやすい魅力を紹介し続けているCMです。
2007年秋から出演している小雪さん、二代目の菅野美穂さんに続き、3代目となるイメージキャラクターには、井川遥さんが起用されました。幅広い世代に好感度の高い井川さんをマドンナに起用することで、ハイボール人気の裾野を広げています
井川遥さんのプロフィール
1976年6月29日生まれ、東京都出身の女優・モデル。2000年にアサヒビールのイメージガールとしてデビューし、その透明感と上品さで瞬く間に人気を集めました。以降、ドラマ『空から降る一億の星』(2002年)や映画『69 sixty nine』(2004年)などで女優としての地位を確立しました。
檀れいさん「金麦」シリーズ
2007年より「幸せほろり、一杯の金麦」をコンセプトに展開しているCMです。
檀れいさんの上品な雰囲気だけでなく、自宅でのリラックスタイムを切り取ったような親しみやすい演出が家庭的な印象を与えます。「金麦」がもたらす日常の幸せを押し出し、幅広い年齢層に受け入れられる人気シリーズに成長しています。
檀れいさんのプロフィール
1971年8月4日生まれ、兵庫県出身の女優。元宝塚歌劇団月組・星組のトップ娘役として活躍し、清楚で上品なイメージで人気を博しました。2005年に退団後、映画『武士の一分』(2006年)で銀幕デビューし、日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。以降、映画やドラマ、舞台で幅広く活躍しています。
サントリーの最新注目CMと新たな戦略
近年サントリーが展開するCMでは、商品の魅力を映像美やストーリーに乗せて表現することを得意としています。その中で、若年層からシニア層まで幅広い視聴者層を意識し、商品のターゲットに応じた多様な起用を進め、ブランドイメージを引き立てています。
上白石萌音さん、 山﨑賢人さん「サントリー生ビール」シリーズ
2023年に新たに展開されたシリーズ。山﨑賢人や上白石萌音を起用し、「生きれば生きるほど生ビールはうまい」というメッセージで、現代の挑戦する人々を応援するストーリーです。
ナチュラルな魅力がある山﨑賢人さんと上白石萌音さんの明るさと親しみやすさで、ビール離れが進む若い世代にもアプローチしています。
上白石萌音さんプロフィール
1998年1月27日生まれ、鹿児島県出身の女優・歌手。2011年に東宝シンデレラオーディションで審査員特別賞を受賞し、芸能界入り。映画『舞妓はレディ』(2014年)で主演し、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後、ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(2020年)で全国的な人気を獲得しました。明るく親しみやすいキャラクターで、多くのCMにも出演しています。
山﨑賢人さんプロフィール
1994年9月7日生まれ、東京都出身の俳優。2009年にスカウトされ、モデルとしてデビュー。その後、ドラマ『水球ヤンキース』(2014年)や映画『ヒロイン失格』(2015年)での演技が注目され、トップ俳優の仲間入りを果たしました。熱い演技が高く評価される一方、恋愛作品からアクション、ファンタジーまで幅広いジャンルに対応できる演技力を持っています。
岡田将生さん、King Gnuの井口理さん「碧Ao」
日本発のブレンドウイスキー「碧Ao」のCMに、洗練された大人の雰囲気の岡田将生さんと国際的ロックバンドKing Gnuの井口理さんを起用し、商品の高級感を演出。ブランドのグローバル展開も意識したキャスティングで、ウイスキーの若年層への訴求力も上げることに成功しています。
岡田将生さんのプロフィール
1989年8月15日生まれ、東京都出身の俳優。2006年にドラマ『東京少女』で俳優デビュー。翌年の映画『天然コケッコー』で新人俳優賞を受賞し、その実力が注目されるようになりました。『告白』(2010年)や『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)など話題作に出演し、幅広い役柄を演じ分ける実力派として知られています。
井口理さんのプロフィール
1993年10月5日生まれ、長野県出身のミュージシャン・俳優。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業後、King Gnuのボーカル兼キーボードとして活動。バンドの独自のサウンドと世界観で人気を博し、アルバム『CEREMONY』(2020年)は大ヒットを記録しました。俳優としても『劇場』(2020年)やドラマ「MIU404」(2020年)に出演し、多彩な才能を発揮。
サントリーCMのタレント起用の意義
サントリーのCMに起用されるタレントたちは、単に商品の広告塔に留まらず、ブランドストーリーを伝える重要なカギとなっています。
タレントの持つイメージが商品の信頼性を高め、商品そのものの価値をタレントを通じて視覚的に表現することができます。またファン層がそのまま商品のターゲットになるため、ターゲット層の創出し、訴求ポイントを明確にできるというメリットもあります。
今後はYoutubeやSNSでの展開も加速され、環境問題や社会貢献などSDGsを意識したCMを展開していくと予想されます。その際に、Z世代にもアプローチできる新しい顔も発掘しながら、ブランド価値を高めていくものと考えられます。
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